怒るのは得策じゃない。

昔、外交とは相手に何かを言ってすっきりしても無意味なのであって、国益に沿うように事態を動かすことが目的でなければならない、というような言説を聞いていたく納得したことがあって、それ以来、個人的な対人関係についてもこの考え方が頭にある。

 

要するに、怒ってもだめ、ということ。

だめというか、人を変えたい時には怒るのはあまり得策ではないということ。

 

人に怒る時には、だいたい二種類あるのではないかという気がしていて

① 自分の感情を発散させてスッキリするため

② 相手を動かしたいから

の2つだ。

 

①をしたいのなら怒ればいいけれど、多くの場合、人が怒る時は本当は②の理由なんじゃないだろうか。

 

それは自分が起こりそうになった時に冷静に考えてみれば分かる。

自分はとりあえずこいつに怒りをぶつけてスッキリしたいだけなのだろうか。

それとも、思い通りにならないことがあるからなのだろうか。

 

多くの場合、怒りを発散させて自分がスッキリしたところで、その怒りの原因が思い通りに運んで解決するかというと、そうはならない。

そうなる場合は、自分と相手に権力の非対称性がある時のみであって、これを繰り返してまわりを動かしていると、いずれはうまくいかなくなる。

 

そうしてみると、ここで怒りを発散してスッキリしたところで意味がないなと思う場面がほとんどだと気づく。

人はそんなに強くない。怒られれば気分を害する。怒られて変わったり動いたりできることは、少ない。

そういう関係もあるだろうし、慈愛に満ちた怒りというのもあるだろうけれど、そういうケースであれば、怒らなくても相手を変えられるだろう。

 

結局、相手を変えたいときには、怒りをぶつけるのはあまり得策ではない、ということになる。

 

難しいけど、ぐっとこらえて、頭を使う方が良い。

目的は怒って一時的にスッキリすることではなく、相手や事態を動かすことなのだ。

難しいけど。