映画『運命を分けたザイル』

昨日のエントリーを書いて思い出した映画があります。

 

【注意】

以下空白の下に、映画『運命を分けたザイル』に関する、ネタバレに近い、私が思うに主題であるポイントが書かれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命を分けたザイル(字幕版)

運命を分けたザイル(字幕版)

 

 山岳事故からの生還、実話を描いた作品。

間違いなく人生において一見の価値がある一本です。

 

あまりネタバレになってはいけませんが、この中で私には強烈に印象に残っているポイントがあります。

20分ルールというもの。

20分だったと思います。たしか。

 

冬山でクレバスに落下し、一人孤独に命をとりとめます。しかし脚を折る大怪我をし、立てなくなります。誰も自分がここで生きていることを知らない。絶対に助けは来ません。

骨折した脚で、這うことはできますが、もう歩けない。しかも、冬山のなか普通に歩けたとしても生還できないような距離と道のりを戻らなければ助からない。気が遠くなるような距離です。

絶望するしかない。

 

そのときに、とにかくただ目の前の20分だけにフォーカスする。

20分であの岩まで行こう。次は、また20分であの石まで行こう、と這っていく。

全体のゴールは途方も無い先にある。それを考えてしまったら、もう動けない。

しかし、この20分で少しの距離だけ進もう、そのことだけに集中し、それを達成し、ただひたすらに繰り返す。

 

そのことによって、彼は動き続けることができ、生還することができた。

 

これは人について、人生ついて、非常に重要なことを示唆していると思います。

私が本作の状況で遭難したら、同じように考えられただろうか。

たぶん無理だったと思います。絶望して終わっていたでしょう。

でもこの映画を観た後では、ほんの少し、同じようにできるかもしれないヒントをもらえたようにも思います。

 

私は人生においては、どのような場所にいるのだろう。

 

私は本作の主人公の姿を思いだすとき、いつも少しだけ背筋が伸びて、粛然とさせられるのです。