ネパールの思い出


自由ネコ師匠が下のような記事を書かれてネパールへ行きたいとおっしゃっていて、自分がもう少し若い頃1ヶ月ほどネパールに滞在したことを思い出した。

 

gattolibero.hatenablog.com

 

どうしてネパールに1か月も行ったのかには、理由らしい理由はなかった。特にヒマラヤとかへハイキングに行ったわけでもなかったし、実際に本当に何もしなかった。

仏陀が生まれた土地があるから、そこを訪れてみようというつもりくらいはあった。

でも、どこか離れたところへ行って、一人きりで時間を過ごせればきっとそれでよかったのだと思う。

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首都のカトマンズはとにかく空気が汚かった。

多分日本などで中古で売られて、さらに海外へと中古で転売されて、さらに払い下げみたいにまわってきた20年以上前くらいの日本車とかが、もうもうと黒い排ガスを出しながら走り回っていたせいだ。 

経済規模はとても小さくてマクドナルドみたいなチェーン店は一つも無い。

上の写真みたいな感じが首都の中心街だ。日本人観光客向けの看板もある。

 

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カトマンズは空気が悪くてすぐに移動したので、ほとんど何もしなかった。

ただ寺院があって、川に面したところで火葬をしていた。猿や犬がそのへんを歩き回っていて、葬式の列が対岸にやってきては遺体を焼いた。何時間もその様子を眺めた。なぜ自分はここにいるんだろうと思った。

 

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バンジージャンプもした。

ネパールのこの場所は世界で2番目だか3番目に高いバンジージャンプらしくて、明朝に首都をバスで出発し、悪路をガッタガタ揺られながら走って昼につき、昼食を食べ、1本飛んで、またバスに乗ってガッタガタ何時間も揺られて日が沈んでから首都に戻ってきて一日が終わる。

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 渓谷にかかっていて、上の写真の足場から飛ぶ。体感の滞空時間はけっこう長い。

 

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カトマンズから移動したあとは、ずっとポカラという町にいた。

リゾート地らしくて、日本の皇太子殿下も滞在されたことがあるという。

上がポカラのメインストリート。  

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 美しい湖がある。

ずっとここで一人きりで本当に毎日何もせずに過ごした。

朝起きて、レストランで朝食をとり、ランニングをして、カフェで昼食を食べ、本を読み、またレストランで夕食を食べ、日が暮れると眠った。物価はひどく安い。

最後のほうは日本で属している場所、社会が恋しくなった。たとえそれが煩わしいものであったとしても。

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毎日同じレストランとカフェで食事をとった。私が気にしていなかっただけかもしれないけれど、カレーとかはそんなになかったように思う。

ネパール料理はあまり口に合わなかった。色んな香辛料で味付けされた豆や野菜が小皿でたくさん出てくるのが定番の料理らしくて、毎日は食べられなかった。

でも上の肉料理はおいしくて、これを毎日食べていた。

カフェやレストランの店員さんだけが唯一言葉を交わす相手だった。といってもあまり通じない英語で何とか会話をするくらいだ。でも楽しかった。

今日が最後なんだよ、と言ったら残念がってくれた。地元の学生さんのアルバイトだった。彼はネパールの未来に希望を持っていた。

 

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最後はルンビニに行った。お釈迦さま生誕の地とされていて、世界遺産。日本人建築家の丹下健三の設計で巨大な公園がつくられている。手作業で建設中だった。

真偽のほどは分からないが、釈尊生誕の場所に立つと、やっぱり身震いがした。

 

しかしその夜が大変だった。

クーラーもない熱帯夜で、部屋の中には無数の蚊がとびかい、全身を噛まれ、汗は滝のように流れる。眠ろう眠ろうと思っても顔のまわりに蚊が飛ぶ音が絶えず、結局朝まで一睡もできなかった。

そして極度の苛立ちのなか、私は無数の蚊を殺した。釈尊生誕の地で夜通し無数の殺生を行っているのだと思うと、自分はどうあっても救いようのない人間なのだということが身に染みた。

 

疲労困憊になって、帰りはカトマンズまで飛行機で帰った。行きはカトマンズからポカラ、ルンビニと悪路の山道を1日がかりとかでバスで移動していたが、帰りはヒマラヤ山脈を眺めながら1時間ほどのフライトでひとっ飛びだった。

飛行機はすごい、人間というのはえらいものだと感じた。

そして帰国してクーラーの効いた清潔な部屋で横になって、自分の業の深さを実感した。

 

ネパールで1ヶ月一人で過ごして、何かが変わっただろうか?

分からない。

でも、もうあんな時間は持てないだろうということだけは確かに言える。